以前より、池波正太郎のエッセイにも書かれている、ねぎま鍋を食べて見たいと思っていたところ、会社の同僚に誘われ、昨年の12月についに浅草の一文本店へ行ってまいりました。浅草一文本店は築65年の一軒家の料理屋でまるで池波正太郎の鬼平犯科帳にもできてきそうな佇まい。創業から30数年ということですが、店構えはもっと老舗の雰囲気を醸し出しています。まずお店に入って、店員さんが案内してくれたお部屋はうす暗い照明で、まるで田舎の農家の家の雰囲気です。掘り炬燵式の席は、ゆったりくつろげ、初めて食事をした人ともすぐに仲良くなれちゃいそうです。コースといえば、当然ねぎま鍋コースを頼んだのですが、自家製のざる豆腐・焼売・ねぎま鍋・うどん・デザートの順で出てくるものでした。ねぎま鍋は今まで食べたことがなく、なんとなく関東の濃い醤油味を想像していたのですが、味はそこまで濃くなくあっさりとしながらもしっかりとした醤油の味付けが美味しかったです。まぐろは新鮮な大トロを使用しており、これを鍋の中にたっぷり入った熱いだし汁の中でゆっくりしゃぶしゃぶします。実はあまりに美味しそうなマグロだったため、はじめこのまま食べようとしたところ、店員さんから、ちょっと待ってとのストップがかかりました。ねぎま鍋は余計な脂分をしゃぶしゃぶして落とすことで飽きずに食べれるところがポイントだそうです。確かにそれじゃあ意味がないですよね。ちょっと恥ずかしい思いをしてしまいました。。ちなみに出汁といえば、この鍋汁がとにかく味わい深く、醤油、昆布、まではわかるのですが、それ以外に入っているものがわかりません。。何か特別な隠し味があるようです。まぐろは、すぐ鍋の底に沈んでいきますので60秒ほどくぐらせればOKです。余分な脂はしっかり抜けたものの生のトロのように口に入れた瞬間に溶けていきます。その他ざる豆腐もコクが深く、コースとしては味もボリュームも満点でした。お酒はビールと日本酒を頼みましたが、焼酎なども数多くの銘柄を揃えています。他にもくじらの煮込みが美味しいということで、オーダーしたのですが、残念ながら売り切れてしまっていました。おそらくあまり量が確保できない貴重なものなのでしょう。予約しないとおそらく食べることはできなそうです。仕方なく牛スジ煮込みを頼んだのですが、これが案外いけます!味噌とワインでじっくり煮込んだスジ肉はとてもやわらかくコラーゲンもたっぷり、女性の方にはぜひおすすめのメニューです。お会計は2人で一万二千円と思ったより安く、雰囲気、味、金額ともにとても満足のいく素晴らしいお店でした。